塩と血圧
調味料のさしすせそ、の「し」にあたる「塩」。料理に欠かせない大切な調味料です。「塩」は太古の昔、あまりにも貴重故に貨幣のように扱われていたようです。そんな大切な「塩」ですが、日本人は食塩を日常的に多く取る国民と言われています。醤油や味噌にも塩分は含まれておりますし、保存にきく干物や漬物などもそうです。世界的にみても日本人の食塩摂取量は1日平均10gと他国と比べて多めとなっています(アメリカは9g、ドイツ8g、オーストラリア6gなど)。
食塩を取りすぎると血圧が上がります。血液の中に入った食塩の成分であるナトリウムが血管の外側の水分を血液中に引き込むためです。日本人は食塩を取ると血圧が上がりやすいといわれていて(食塩感受性が高い、といいます)、日本人の約4割が食塩感受性が高いというデータもあります。故に、血圧の高い方は1日の食塩摂取量を6g未満にしましょう、という目標値が設定されています。
しかし、これは「言うは易く行うは難し」です。日本人にとってこの目標値は、なかなかどうして簡単ではない値だと思います。ただ、やはり、高血圧症の治療中の方は、この目標値に向かって対策をとる必要はあるでしょう。例えば、みそ汁1杯に約1.5g、きゅうりのぬかみそ5切れで約1.6g、梅干し1個に約1.8g、食パン1枚に約0.7g、うどんを汁まで飲むと約5~6g、せんべい2枚で約0.6g、塩小さじ1杯に約6g、食塩が含まれています。気にせず食べると1日6gをゆうに越えていきます。
減塩の醤油や味噌を使い汁物は汁を残すのがお勧めです。味付けに酢や柑橘系を使用する方法もあります。パンには食塩が含まれるため朝食は米にする、天丼や牛丼などのタレがかかる食品はタレに塩分が含まれるので控えめにする、などもよいでしょう。
以前のコラムにも記載しましたが、日本人は食塩摂取量が多いため、減塩すれば降圧効果がその分期待できます。高血圧症の治療にもちろん内服治療は大切ですが、食塩摂取を意識していただくことも大切です。
